基本的にめんどくさがりな人のあれこれ

めんどくさいとやってみようの間で。

彩雲国物語を一気読みしたので、ちょっと感想など。

あけましておめでとうございます。ゆるゆるですが、今年もよろしくお願いします。

さて、私の年末年始は、大人買いしたラノベをひたすら読んでおりました。今更ながら「彩雲国物語」。

ブーム時はちょうどラノベも卒業した頃だったので、タイトルは知っていたもののアニメも見ておらず予備知識ゼロでした。

いやー、年末年始で一気読み!なかなか面白かったです。大好きな十二国記なんて素敵にジャパネスクを足して割ったり引いたりしたような感じというか(笑)

正直、文章わかりにくいとかセリフ砕けすぎてて雰囲気崩れるとか、キャラ崩壊とか、伏線ほったらかしとか設定無理とかツッコミどころは色々あるんですが…それでもグイグイ読めて面白かったです!

頑張り屋さんでしっかり者な秀麗は好ましく、ああーー自分もちゃんとせねば…なんて思ったり。お気に入りキャラは黎深はじめとする悪夢の国試組と清雅、蘇芳あたりだったんですけど。

じっくり読み返せてはいませんが、熱いうちに少し感想など。

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ストーリーとしては御史台編が特に引き込まれました。

冗官から再スタートし、後々の大事件に繋がるであろう事件が次々と起こり、御史台で厳しくしごかれていく秀麗。茶州編までは味方はみんな秀麗を肯定してくれていたけれど、真っ向から否定する(でも成果は認める)上司の皇毅、秀麗とは対照的だけど有能な清雅、鋭い視点の蘇芳(どうでもいいけど上司への報告でもタンタンって呼ぶのはどうなんだい、秀麗ちゃんよ)この新キャラたちが加わって、秀麗の甘さと成長が感じられてグッと面白くなりました。秀麗の口の悪さにはちょっと辟易したりもしたんですが、それまでの理想をフワフワ語るできたお嬢さんから、頭は良いけど経験不足で甘ちゃん、静蘭も助けてくれない紅家のツテも使えないという状況になって、人間的な魅力が増したように思います。

茶州編はさ、終わりよければ…ではあるんだけど、トップ抑えて無理矢理通すって決して良いことではないからね…と感じた社会人経験者としては、御史台編でその辺りが突っ込まれていてスッキリしたのもあります。

ただ、秀麗への処罰はいいとして、じゃあ次同じように前例がない事態が発生した時にどう対処するのか。迅速な対応ができる承認ルートや権限の整備、各専門家の配置なんかを国側が考えれられていたら良かったのかもね。(それができなかったから無能と言われてしまうんだろうけど)

まぁ吏部のすったもんだは、個人的に作中屈指の理解できない部分ではありましたが。

(絳攸の成長エピとしても、その後黎深とほぼ関わってないからどこが成長したとかよくわからんし…楸瑛にしても成長というか珠翠ラブに開き直ったくらいしか…)

終盤、縹家が関わってくるところはツッコミどころも増え「その設定いる?」って部分が目について、ちょっと失速した感がありました。劉輝の王としての資質もなんだかうやむやで。ただ自業自得とはいえ、作中いじめ抜かれた劉輝の元に続々と集う、畳み掛けるようなラストは、強引であっても感動的で良かったです。

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逆に恋愛部分は、なんだか消化不良です。

1巻の時点で秀麗と劉輝がくっつくのはわかっていたんですが、最後まで秀麗は劉輝のことを「王」「手のかかる子供」としてしか見ていないように感じてしまいました。書かれていない10年ほどの期間があるので、その間に色々あったんだろうとはいえ、劉輝には秀麗が必要だけど秀麗に劉輝が必要な理由が見えなかったというか。

作中、秀麗が一番甘えられる相手は燕青で、共に歩いたのは蘇芳で、一番感情を剥き出しで向き合った(理解しあったとも言えると思う)のが清雅じゃないかと思うので。この3人の誰かとくっつくのはわかるような気がします。(あーでも燕青は一歩引いてるからないかな)

1巻時点では最大のライバルになりそうなのは静蘭だったと思いますが、なんかいなくなったしね。

劉輝側も、十三姫とのエピが結構良かったので、この二人がくっつくのもアリだなと思ったのもあります。秀麗に関しては与えてもらうばかりだけど、傷付いた十三姫に与えられるものがあるように感じて。

あと、秀麗の信念は王の官吏であることだったので、それを最後まで貫いて結ばれはしないけれど王と優秀な官吏として側にいるという結末も、それはそれでうつくしかったのではーなんて思ってしまったり。

リオウを養子にというのも微妙な選択ですよね。中立であるはずの仙洞省に就いているリオウを太子にするのはどうなのか。そもそも王位継承者になることはリオウの望みなのか?という疑問も残ります。(他にいないから無理矢理というのであれば、秀麗を後宮に入れようとしたのと同じで、リオウが縹家として仙洞令君として成そうとしたことを捨てさせることになる

あとは、劉輝の両刀設定ももう少し見たかったかな(笑)

関係ないけど、外伝の白百合は、悪夢の国試組がお気に入りということもありとても好きな話です。

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最後に、ここだけは突っ込ませてくれ。

ねぇ、静蘭は???

清雅の伏線回収とか、奇人の影の薄さとか、黎深の扱いとか、花二人の有能エピドコーとかは言いませんよ。でもさでもさ、静蘭はいるでしょ???

最初に読んだときは「こりゃまたベタな設定のキャラだなぁ」なんて思ったけど、ベタな分、作中にどう関わらせていくのかが重要なキャラだったはず。。劉輝にとっては誰よりも大好きだった「兄」、秀麗にとっては「世界で二番目に好きな人」。1巻時点で秀麗は静蘭に、具体的でなくても淡い恋心のようなものを抱いているのでは?と思っていたんですが。干將を受け取って、莫邪の劉輝と対なす存在となっていくと思っていたのに…

その干將も静蘭が賜ったはずが、誰でも使える便利グッズのように扱われ、しまいには不要と言われ…静蘭も「たまに本性を現す」どころか「全然隠せてない腹黒、でも間抜け」になった挙句、モブに毛が生えたようなキャラに叱られる始末。

静蘭は特にお気に入りのキャラというわけではなかったんですが、それでも言いたい!「そりゃないよ!!!」

作者が持て余したんだろうなぁというのはひしひしと感じますが、不憫すぎて泣ける…

ラスト、会談時の劉輝のお供二人は、花二人もしくは秀麗と静蘭が収まりが良かったんじゃないかと思ったんだけどね。

美味しいところは全部燕青に持って行かれ、

外伝の鈴蘭も、本編での静蘭の成長やフォローもないのに、「清苑公子」まで貶めるエピソードで正直不快でした。あれを書くなら、優秀だけど傲慢だった過去から成長するエピソードが本編に欲しかった。。あれじゃ今も昔もただの嫌な奴じゃないか。

 

続編は、レビューを見る限り、私のツッコミどころには応えてくれなさそうな内容のようなので、読むか迷っています。。